自己増殖

システムエンジニアの仕事をしていると、(僕らの産業は、ずいぶん
自己増殖的じゃあないか)と思って嫌気がさすことがたびたびあります。

いつか聞いたことがあるような概念が、新たな装い(3文字略語)に
なって、毎年毎年出てくるのです。実は概念上はさほど差は無くて、
実装に使うITや概念のツールセットが若干違うだけだったりします。
そういうのが出てくるたび、コンサルティングファームや大手IT企業が
騒ぎ立て、多くのお金が行き来して、わずかな成功事例が針小棒大に
報じられる、というわけです。

ただ、そういうお金の行き来の中で、いつしか本当に世間は大きく
変わっていて、大きく便利になったり少し不便が減ったりしている、
というのは否定できないので、私は世捨て人にもならず、はたまた
反グローバリゼーションとか反経済とか言いだしたりしません。


そもそも、人間の行為に対して、「経済」という視点のフィルタを
かければ(つまり、経済的行為として眺めれば)、多かれ少なかれ
自己増殖的であったり、拡大再生産的であったりします。
その有様は、なにか見知らぬ微生物が際限なく増殖していくかの
ように想像できるので、少し嫌悪感を感じてしまうのではありますが、
それはあまりにナイーブというものでしょうよ。

頭がおかしいんじゃなかろうか、と、お客さんや上司に思うことは
ままあるのですけど、自分の正気もそこそこに信じつつ、世の流れに
たゆたうのも悪くはないと思います。


結論はありません。自己増殖する世界に対して、論理的に明晰で
単一の答えなどあり得ないのではないでしょうか?
答えを与え続けること、それが世の中を生きるということじゃないかと
思いました。


...晩ご飯を食べ終えて、胃袋に血があつまると、思考のタガが
外れて、かたちが無くなっていくものですねえ。
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by izagon | 2004-10-01 20:12 | 沈思黙考


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