鬼束ちひろは終わってしまったのじゃないか?

『月光』のヒット直後だったと記憶しているのですが、NHK教育
テレビの『TOP RUNNER』に出た本人が、
「自分は人間の暗い面を歌っているという自覚がある」
というようなことを言っていました。

思うに、人間が自身の内面を見つめ、暗黒面(ダークサイド!)を
表現するのは、実はそんなに難しいことじゃない。
怒りや憎悪、嫉妬、あらゆる暗い欲望は、量や頻度の多寡こそあれ、
ふつうに生きていれば全く無縁ではいられないからです。

彼女はそういう方向性で表現することに慣れすぎて、暗黒面以外の
人間性や社会性を表現する手法や志向を失ってしまったのじゃないか、
と思うのです。


ちょっと微妙な例をあげましょうか。
「運動会」というイベントから、「教師に強制されたマスゲームの
苦々しい思い出」とか「足が遅いのに徒競走に出場させられた」とか、
苦痛な感覚しか得られず、そういう記憶しか搾り出せない人がいます。
けど、仔細に思い出せば、
「抜けるように青い空」とか、「ご近所の人までが声援を送って
くれた」とか、「好きな女の子がハチマキを巻いて一生懸命走る
可憐な姿」とか、そういう明るい思い出だってあるはずなんです。


内向して暗黒面ばかり眺めていると、人間は萎縮してしまうのじゃ
ないでしょうか。


念のため。
鬼束ちひろは、歌唱力というか、声の質と、表現には目を見張る
ものがあるわけで、復活してほしいのですよ。
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by izagon | 2004-10-28 12:50 | 沈思黙考


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