奈良県で起きた女児誘拐殺人事件に関連して、アメリカで採用された
「メーガン法」などを参考に性犯罪者の監視システムを立法化する べきではないか、という議論が出ています。 そうした番組は、 -日本は性犯罪の量刑が軽い -一般に性犯罪者は再犯率が高い -(韓国やイギリスの例をひきつつ)いろいろな法的手段があり得る ことなどを示唆していますが、メーガン法類似の法律が作られる 場合に、当然考えられるべき加害者/贖罪を終えた元犯罪者の人権に ついての判断を避けている点を卑怯と言わざるを得ません。 まずきちんと「再犯率が高いことをかんがみて、性犯罪の加害者の 人権は一定期間制限されるべきである」と主張するべきではないで しょうか。 「社会科学的知見によって、人権主義という主義主張に対して制限を 加える」という社会的な同意を作っておくべだと思うのです。 ただし、一方で、社会学でいう「ラベリング」、「スティグマ」の 問題についても考慮すべきだとも思います。 いちど特定のレッテルを貼られた人間は、そのレッテルを共有する 人々のみで成立している社会でしか自身のアイデンティティを確立 できなくなってしまうという現象が確認されています。これを 「ラベリング」と呼ぶのですが、性犯罪者がラベリングされ、 性犯罪者同士の間でしかアイデンティティを得られなくなるとしたら、 その先に起きるであろうことは犯罪の凶悪化であり、社会の分断で しょう。 安全の確保と、元受刑者の過度の排斥を防ぐこととの間で、非常に 難しいバランスをとる必要が出てくるのではないでしょうか。
by izagon
| 2005-01-05 18:53
| 沈思黙考
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