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風姿花伝

読了しました。

芸術論としてはあっさりとしていて、少々拍子抜けしました。
「いわく言いがたい」みたいなことも何度も言っていますしね。
陰陽説なんかにも言及していて、一筋縄ではいかないなあ、
とは思いますが、いまいちピンときません。
能・狂言をたくさん見れば、もっと分かるのかも知れませんね。

それより、世阿弥は
「中央で人気が下がったからって腐るな、ドサ回りして田舎者が
喜ぶような芸をしてもいいじゃないか、そうやって人々を喜ばせ、
名声を得ていれば、いつか浮かぶ瀬もあるさ」
みたようなことも書いているのですが、そこのあたりが泥臭い
感じで面白かったです。
有名な「秘すれば花」という言葉も、「秘伝なのだから、人に
知られないようにしろ。芸の秘密を知られてしまったら、『花』の
仕掛けがばれてしまう。そうなったら『花』など咲かない」
という意味なんですよね。

あんまりもったいぶって読まない方がいいのじゃないかな、と
私などは思います。
by izagon | 2004-04-20 22:59 | 読書日記


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