報道批判とJR西日本批判の整理


<尼崎脱線事故>ボウリング問題 13人は重大性認識で出席


まず、威丈高な態度が目につくマスコミの記者諸氏には節度を求めたいですね。
冷静に、事の軽重を見分け、事実をきちんと報道してほしい。
まず、この事件の、この時点において、「別の車掌区の人たちがボウリングしていた」
ことは、さほど重要なことではありません。
被害者の数が確定し、証拠集めが行われ、事故調査委員会の報告待ち、という、
画像になりにくい段階にあるからといって、経営者の謝罪映像を流したり、
宴会で使った店にまで出かけてインタビューを取る、なんて愚かなことをしては
いけないと思います(本当に、報道ステーションの軽薄さはどうにかしてほしい)。
JR西日本の他の路線の状況を調べたり、JR他社の状況(線路、車両、安全装置)を
実地に調査して報道したり、特に多くの記者とリソースを持つ、大マスコミ諸氏には、
もっと他にやるべきことがあります。

かといって、今までにつまびらかになった、JR西日本のボウリング野郎たちの愚行を
批判せずにおくのはおかしいです。
まず、区長がボウリング場に行ったのはおかしい。
報道によれば、情報が続々と入り、事態が当初明らかだったことよりもはるかに
良く無いことが分かっていたようです。この段階で、彼は「長」として、情報に
触れられる場所から動くべきではなかった。

いや、ボウリング場に行ってもよかったのです。自分の部下に当たる人、もっと
言うとその日は決まった仕事が無い人が、40人も集まる場所であり、緊急事態
への対処を指示するのにきわめて有効な場所だったわけですから。なんらかの
対処をとるために、部下を引き連れて現場なり本社なりに出向くのには、最高の
場所だったのですから。彼の判断が妥当だったと、言えなくもないのです。

さらに、もし、ボウリング場に出かけた時点で、事態の深刻さが把握できて
いなかったのであれば、ボウリングをしたことだって責められるべきことでは
ありません。
しかし、区長はここでもミスをしています。携帯電話への2回の連絡を、取り
損なっているのです。
これは、「長」の付く身分として、明らかな失敗です。新しい情報を取る機会を
放棄してしまっているからです。軽率です。自分から何分かおきに連絡を
取って情報を集める、ぐらいのことはするべきでした。

部下たちも、同情すべき点はあります。車掌区が違って、休日だったわけですから。
しかし、彼らもいくつもミスをしている。2次会に行ったり、酒を飲んだりしている
のはどうにもおかしい。鉄道という公共性の高い仕事に関わっているものとして、
あまりに行動が軽率すぎるのです。
違う車掌区であっても、「脱線事故」という大規模な事故が自社内で起きて
いたら、当然「自分の部門へ連絡し、指示をあおぐ。待機の指示があったら、
連絡がつく場所で待機」というふうに振る舞うべきではないでしょうか?

公益性の低い、一般企業であっても、こうした行動原則を指示している会社は
少なく無いと思います。自社のサービスが社会に甚大な被害を与えていると
したら、関連部門はもちろん、全社に通知が飛ぶのは当然ではないかと、
私には思えるのです。
JRのような巨大企業において、こうした行動が出来ない社員がいるということは、
批判されてもしかた無いと思います。

以上、私なりに整理してみましたが、私が言いたいのは、
「マスコミもJRも、今はそんなことやってる場合じゃない」
ですかね。
事故の調査、被害者への補償、運転の回復、安全性の調査、ダイヤの見直し、
いくらでもやることはあるのではないでしょうか。
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by izagon | 2005-05-06 00:32 | 沈思黙考


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